紙芝居が好き

街頭紙芝居に一目惚れしてしまった人の日常記録帳。

安ければ、いいのか?

偶然、深夜にNHKスペシャルワーキングプア」を見てしまいました。
それは「サラリーマンNEO」を見てから、
そのままぼーっとテレビを付けっぱなしにしていたせいなのですが。
あまりにも怖かったので、長文感想です。

ワーキングプア」は、働いているのに貧しい人のことらしいです。
若い頃は繁昌していたお店も、その後地域の過疎化で仕事が減り、
今となっては税金も納めることが難しい。
その上、年老いているので介護等の費用が増える。
なのに介護保険の負担が増え、さらに払えなくなる。
年老いてそうなっているので、抜け出す道はないに等しい。
その後は生活保護を受けるしかない状態。

農家は、米の価格が下がった(販売条件の規制緩和のため、価格競争で下がったらしい)ため、
農作業用の機材のローン等で赤字の状態。
それを補うのは、出稼ぎや家族の仕事での収入。
農家を続けて行きたいけれど、実際の収入がそれを難しくする現状。

リストラされ、職を失った50代。
今さら定職には就けず、子どもを大学に行かせるためにバイトを掛け持ちする。
でもバイトで稼げる額はあまりなく、貯金を取り崩すばかり。
もう一つバイトを増やそうかと思案する。

父の借金が発覚後、両親が離婚。
母と暮らすも、食費を毎日500円渡されるだけ。
いつしか母は家に帰らなくなり、自分のバイトで生活費を稼がなくてはいけなくなる。
バイトで生活するのが精一杯で、就職活動も出来ず、そのまま歳を重ね、
その内バイトもみつからなくなり、路上生活になる。

上記は一部だけれど、一度沈んでしまうと抜け出すことが困難なことは同じで、
とても恐ろしい気持ちになりました。
普通の家庭だったのに、お父さんが病気で亡くなったため家族がバラバラになり、
母に一人では育てられないからと施設に預けられた男の子もいました。
こんなこと、いつ誰の身に起こるかわからないです。
同じ日本に住んでいて、仕事をして(したくて)頑張っているのに、仕事ができない状態。
もしくは、仕事に見合う収入が得られない状態。

確かにお米や野菜は安い方が有難い。服だってなんだってそう。
だけど、それで支払っているお金が日本人ではなく、
海外の誰かを潤しているばかりかもしれないと思うと、せつない。

昔、染め物を勉強している友達から聞いた話。
ある業者が海外に藍染めの工場を作り、日本伝来の技術を現地の人に教えた。
それから海外製の藍染めが安く手に入るようになり、日本の藍染め業者の経営が難しくなった。
競争は確かに必要なことだろうけれど、少しイヤな話。
(だから少し高くても、地元の染め物を作っているところに頼みたいのですが…)

私が使うお金は、どこに転がっていくのだろうか。
ぐるっと回って…果して自分のところに戻って来ることは、あるのだろうか。
とりあえず、食品関係は外国産を控えています。
ちんまりこだわり。